登山は何のためにするのと言われても、2日目登山編

登山は何のためにするのと言われても、2日目登山編

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全開は山小屋の事を中心に書きました。

あれだけだと、単純な温泉旅行になってしまうので、だれでも行けそうですよね。

そうです。あれならだれでもいけます。

スキー場近くの山小屋、秘境の温泉に足を運ぶようなものです。

今回の目的は実はその秘境に入るというのもありましたけどね。では

そのリラックスとは正反対の性格を持つ冬山登山。

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夏山と違って、環境がまずかなり過酷なんです。

スキー場よりも標高の高い場所に足を踏み入れ、しかも歩きで。

装備も確実に生命を守るための一式が必要になります。

外気は概ねマイナス。風も強いです。

雨ではなく、雪、しかもチラチラではなく、氷がふってくるような感じです。

当然マイナスですから、ブリザードのようなものも目にすることもあります。

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特に今年の降雪は12月で1月の後半並みの降雪量とのこと。つまり雪が多いんです。

多いということは、天候が不安定ということです。

そして、私たちが登頂を目指したのは、硫黄岳標高 2790m 火山で、山頂付近は大変なだらかだが、爆裂火口壁といって、噴火時に山の一部をふっ飛ばしてできた形なので、断崖絶壁になっている。その部分の環境がかなりひどかったので、写真には収めることはできなかった。

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そして、この山途中まで、登頂を諦めていた。

大寒波がきていて、冬型にはいって超大荒れ、コンディションは最悪(とのこと)
諦めて、帰る人もいる中アタックした。
この写真、硫黄岳の山頂を樹林帯から撮影したものだ。
山頂が見えない。
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樹林帯ギリギリにある。山びこ荘にたちより、小屋のおやじに聞いてみたところ。
「今日はまだマシ。昨日よりは落ち着いた。今日行かなかったらいつ行く? だから、みんなアタックしてるよ。」
みたいなことも言われてしまった。
とりあえず、稜線まで行ってみようと、足を進める。
樹林帯を抜けた瞬間、急激に環境が変わってきた。
風速20m近く、横殴りのかぜ、
ゴアテックスハードシェルの服から人の水蒸気が凍りつき、
縫い目から細い糸上の氷が出来るぐらい。
4重構造のグローブも凍てつく。こんな温かいグローブが何故冷えてくるのかこの場に来て初めて理由がわかった。
視界は15m前後、ガスの中 気温マイナス7℃(だと思う)
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装備、バラクラバ、ゴーグル、ハードシェルゴアテックスフル装備、12本爪アイゼン

スマホ使用限界温度 越え、ディスプレイは汗で凍る。IMG_5018.JPG

電源も落ちる。

ホワイトアウトにはまだ至っていないが、視界は良くはない。
目印は鉄のポールのみ。これを信じて、進む。
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それを外すと帰り道を失い下手すれば、滑落 遭難。
風はかなり強かったが、視界が確保されていたのと足場確保されていたので、登頂に、踏み切る。
足場は積雪20cm弱でほとんどがアイスバーンだったので、アイゼンの効果がかなり有効的でむしろ前へは進みやすかった。

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そして登頂。

残念なことにこのとき、自分のミスで、アウタグローブをなくす。風で持ってかれただろう。

幸いグローブはもうひとつ用意していたのと、アウターのみだったので、保温はウールがカバーしていたので、それほど辛い事にはならなかった。

 

そして下山。山頂近辺のあのひどい状況は打って変わって、樹林帯に入ると、風もなく、1m近い積雪のされた道が続く。

私達のアタックが終えた後は、以外に後続が多くいて、頑張る人が多いのに驚いた。

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みんな、あの登頂の瞬間を目指しているんだよね。

視界0でも、環境が最悪でも、あの登頂した瞬間の達成感と日頃の思いなども色んなものが、あの場所にあるような気がした。

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自分はこの地球に存在しているんだよって、宇宙レベルで言えば、一瞬の存在でも、生きているんだと。

そんなものを感じる瞬間。

舞台にいて拍手をもらう瞬間に近いような気がする。

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日本式のある国で、そして、私を山に導いてくれて、ありがとう!

また、山にいくよ!

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